児童書の利用方法
図を学ぶことは、鳥の目で高いところから見て、ものごとの関係をとらえることですから、図は構想そのものだと言えるのではないでしょうか。
GEの元会長のJ氏の図は有名です。
マルが3つ重なっています。
事業のー位と2位は真ん中に書いてあります。
3位以下のものは全部外に書いてあります。
1位と2位のものしか手掛けない戦略です。
セコムの飯田会長から「どこにもモデルのない仕事をしようとしていたとき、毎日毎日図を描いていくうちに1つずつ枝が伸びていって今日の仕事に到達した」という話をうかがったことがあります。
どちらもまさに「図解仕事人」であり、一流のビジネスマンです。
構想力を高め、実効性のあるものにするには「技術」が必要です。
技術ならば誰もが訓練をすることによって、一定の水準に達するはずです。
図はまさに訓練で身につけられる技術なのです。
私たちは日々積み重ねていき、何回でも描き直しをするしかありません。
訓練を続けていくうちに思考が深まり、「技術」が磨かれ、より完成度の高い地点に到達することができるでしょう。
私たちは、表現力や理解する能力、考える力などを、「生まれつきあるもの」だと考える傾向があります。
「あの人はもともと頭がいいから」などと言い訳をしながら、やる気を失ったり、諦めたりした経験がありませんか。
そもそも頭の良さとは何なのでしょう。
頭一つまり脳に違いがあるのでしょうか。
「頭が良い」と言われる人も同じ人間ですから、脳の構造が大きく異なるわけではないはずです。
では脳の何が、表現力に影響しているのでしょう。
私たちは、行動神経学の専門家であるN先生を迎えて、脳のしくみと自己表現の関係について講演していただくことにしました。
先生は、「人間は生きるうえで、質の高い自己表現を求められるからこそ、脳の自己表現に関わる部分が発達してきている」とおっしゃいます。
だからこそ、「洗練された自己表現力を身につける努力が、人間らしく生きることにつながる」そうです。
脳の構造をやさしくひもときながら、「人間の脳は、誰もが努力次第で自分らしい自己表現力が身につくようにできている」と教えてくださいました。
本章では、脳の鍛え方、表現力を生む環境の整え方などの具体的なノウハウを身につけながら、脳の可能性一つまり自分の可能性について意識を深めることができるはずです。
私たちは、脳の働きなくして何も表現することができません。
表現するためにはやる気や理解力、運動機能や感性などの能力が必要です。
これらは、脳が働いているからこそ発揮できる能力です。
もちろんそれ以前に、生きていなければ表現することもできませんが、これもまた生命維持機能という脳の働きのおかげなのです。
つまり脳は、動作やことば、表情などで意思を表現し、メッセージを伝えるなど、自己表現をプロデュースする役割を担っていると言えます。
それでは、脳は自己表現とどのように関わるのでしょうか。
自己表現の得意な脳と不得意な脳では、何が異なるのでしょうか。
豊かな自己表現のできる脳を育てるには、どうすれば良いのでしょうか。
何か特別な訓練でもあるのでしょうか。
20世紀に大きな進歩を遂げた脳科学の知見を活用すれば、豊かな自己表現力を身につけることができます。
努力次第で、不可能な夢ではなくなったのです。
最初に、自己表現に深く関わる脳の特徴について簡単に紹介しましょう。
のうりょうぜんこうれん大きく分けると、脳は大脳と半球間連結部(脳梁、前交連、りょうのうせきずい菱脳、脊髄からなると考えられます。
他)、自己表現に関わる主な部位は脳からの情報は脊髄を経由して、身体の末端部へ向かう下行路とこころの情報を大脳に向かわせる上行路が存在します。
この情報処理回路のおかげで、自己表現力に必要な身体の動きや感覚の認識山が可能になるのです。
自己表現は大脳新皮質から生み出されている自己表現に関わる大脳は、その役割によってさらに分かれます。
まず左半球と右半球です。
一般的に、右利きの人にとって左半球は「優位半球」と呼ばれます。
言語表出や理解、文字や計算など合理的な情報処理を得意としています。
一方、右半球は「劣位半球」もしくは「沈黙の半球』と呼ばれます。
物体や視空間の認知(位置や空間に関する情報の理解)、物の形や色の認知など、おもに非言語性情報に対する理解や対応に関わる情報処理が得意とされます。
つまり、自己表現には左右の両半球の機能が相補的に関わっていると言えます。
大脳は、表層部位(大脳新皮質)と、深部(旧・古皮質)にも分けられます。
大脳新皮質には言語、科学、創作、音楽、運動企画、感覚認知、判断など、人間性を形成するほとんどの知的機能が宿ると言われ、互いに連絡し合いながら情報処理にあたっています。
一方、旧皮質と古皮質は、生命維持機構(本能的機能)の役割を担っています。
食欲、睡眠、呼吸、排班、性欲、満足不満足感(気分)、不安感、攻撃性などに関わるとされています。
ヒトの大脳新皮質は、他の動物とは比較にならないほどに発達しています。
ヒトにもっとも近いとされるチンパンジーでも、大脳新皮質はヒトの3分のー程度しかありません。
ところが、旧・古皮質は、ヒトも恐竜などとほぼ同程度の容量と言われています。
つまり、自己表現力に関わる大脳新皮質が群を抜いて大きいのが、私たち人間の脳なのです。
膨大な処理能力を誇る大脳新皮質が私たち人類に与えられているのは、日々の生活のなかで大脳新皮質を駆使する環境にあるからでしょう。
複雑な人間関係やレベルの高い文化を維持するため、4貝の高い自己表現力を必然的に要求されることがうかがえます。
だからこそ、私たちは大脳新皮質の情報処理容量を大いに活用したい、しなければならないと思うのではないでしょうか。
洗練された自己表現力を身につける努力が、人間らしく生きることにつながると言えるでしょう。
自分では脳をフル活動させているつもりでも、実際に活動しているのは脳の20%程度だと、長年の研究から指摘されています。
だからと言って、あとの80%の神経細胞が何の役にも立っていないわけではありません。
その瞬間、情報処理に直接関わっていないとしても、記憶を貯蔵したり、スペアの役割を担っていたりと、何らかの役割を担っている可能性が高いように思われます。
脳が「全身を制御する中枢」だとするならば、前頭葉は「脳を制御する中枢」と吾一守えるでしょう。
交通事故などでもっとも障害が残りやすいのも、前頭葉機能、「脳全体の機能を総合的に使いこなす機能」です。
前頭葉機能が低下すると、他の三領域の機能が比較的良好に回復しても、日常生活に関する行為がスムーズに行えなかったり、覚えたり思い出したりすることが難しくなってしまいます。
前頭葉は、自己表現力にも大きく関わっています。
話す、書く以外にも、身振りや舞踊、楽器演奏や歌唱、絵画鑑賞や描画など、自己表現するための技術をどんなに高められたとしても、それらを総合的に使いこなす前頭葉機能が培われていなければ、自己表現力は発揮されにくいのです。
豊かな自己表現力を身につけるには、前頭葉機能の稼働率がキーポイントの1つになると考えられます。
「百聞は一見にしかず」ということわざは、脳科学から見ると裏付けのある理論のように思えます。
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